徒然なるままに

2015年8月3日

馬居教育調査研究所:UERLabo開設記念(その1)

   本日2015年8月3日(月)に馬居教育調査研究所:UMAI Education Research Laboratories(以後は略称UER-Laboを用います)を開設します。

 本年3月末の静岡大学退職を機に本格的な開設準備にとりかかり、約4か月を経てこの日を迎えることができました。このような通常の工程と時間を無視する短期間に、UER-Laboを開設する作業にご協力いただいた全ての皆様に、心から御礼申し上げます。

 さらに、より広く開設したばかりのUER-Laboへ訪問いただいた方々に、感謝とともにこれから始まるUER-Laboの調査研究活動への参加と活用をお願いいたします。

 UER-Labo開設の目的や各部屋の概要については、UER-Laboへようこそに掲載した<ごあいさつ><UER-Laboの調査・研究・教育・学習活動へのご案内>の中で述べましたので参照ください。ここでは「徒然なるままに」との部屋の名にちなみ、UER-Laboの顔となるイラスト(下図)に込めた意味と思いを綴ります。

調査研究の部屋原板 まず2階に注目して下さい。ドアが五つ並んでいます。人口減少時代における教育課題を明らかにするために、UER-Laboが追及する5種のテーマに即して設置した調査研究の部屋の入り口です。その左右と1階の壁に設けられた書棚を埋める多彩な書籍は、UER-Laboの調査研究が憶測や予断を排して、文献、資料、データに基づくものであることを象徴します。

 1階には、テーブルと地球儀と銅像が置かれています。このフロアと四つのテーブルの配置は、UER-Laboが、その調査研究を担う研究同人と研究員が集い、語り、悩み、蘇生する広場となることを願って描きました。

 テーブルの上の投影図は、調査研究のベクトルが、最先端の情報と機器を媒介にした近未来の創造にあることを示しています。その調査研究の舞台が、世界のいずれの地においても営まれる生活世界にあることを示すのが地球儀です。

 ドン・キホーテの像は、このフロアでの語らいや2階の研究室から生まれる調査活動が、課題の困難さから逃げずに、夢の実現に挑み続けることを求めるUER-Laboの心情(エートス)と結ぶことを見守る役を担っています。UER-Laboの顧問の先生方の心を映す像として顕したものでもあります。

 さらに、UER-LaboのUをシンボライズした白馬の紋章を織り込んだ絨毯を土台となる床に敷きました。UER-Laboの調査研究は、改革の厳しさを承知で、未来を生きる人たちのために、人口減少下の新たな人とまちづくりに挑む、日本とアジアの地で活躍する人たちを育むと同時に、その≪志≫の涵養と実践化を支え援けるためであることを示すためです。

 そして、このようなUER-Laboの世界への興味と関心をより多くの方に持っていただくために準備したのが、図書を詮索する男女と彼ら彼女らが見つめるスクリーンのイラストです。このスクリーンには、日々積み重ねるUER-Laboの新たな情報への案内が記されます。それぞれの興味関心に応じて、UER-Laboが創る世界を眺め楽しんでください。

  リアルな建築物であれば、クライアントの要望に応じて設計を担当する人たちが厳密な図面を書き表し、多様な材と機器を駆使する建築の専門家が匠の指示のもとで建造します。  それに対して、UER-Laboに姿と機能を与えてくれたのは、二人の友人の類まれな専門力です。

 その一つは、有限会社トレジャーズの前多利明さんの緻密な構成力とそれをネット上に多次元的実現する高い技術力です。もう一つは、漫画家の長野亨さんのクライアントである私の心を読み取る繊細な想像力とそれを鮮やかに具現する緻密な表現力です。

 したがって、UER-Laboの各部屋の外観から家具や置物まで、あるいは多様な人物像も含めて、すべて描いたのは長野亨さんです。また、UER-Laboが担う多様かつ多元的な役割と機能をウェブ上に組み込むとともに、操作の優しさと両立させることで、長野さんのデザインに命を与えたのが前多さんです。

 その意味で、今後の展開も含めて、UER-Laboが発する情報は、前多さんと長野さんの専門力によって創造された世界といっても過言ではありません。このことを、末尾ではありますが、UER-Labo開設の日の「徒然なるままに」の最初のエッセイに記すことで、お二人への感謝の意とさせていただきます。

 

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