馬居君とは、静大時代に、成人の学習行動の分析を試みようと、静岡県内の各地で調査を行い実証的研究に取り組んだことが一番の思い出です。研究に取り組んだ当時、地方の大人を対象とした学習行動のタイプの分析はあまりなされていませんでしたから、斬新な分析結果を導き出せたと思います。特に、調査結果を検討する中で、地域住民の類型化にあたり、馬居君が鋭い社会学的考察から、ユニークなネーミングの住民像をいくつも提示してくれたのは、とても印象に残っています。静岡県の教育の一面を鋭く指摘する研究ができたと思います。
その他にも、静岡県の教育課題に共に取り組む中で、戦前生まれで教育制度学出身の私とは全く違う観点から(馬居君は戦後生まれで教育社会学専攻)、いろいろなアイディアを出してもらったことは、県の様々な教育課題解決にも、また、私の研究にも大いに役立ちました。最近は研究の範囲がアジアにまで広がっているようですから、その鋭い考察で、より一層研究の成果をあげてほしいと願っています。
角替 弘志