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調査研究の部屋

生きる場の今と未来を問うことから

生活科・総合的学習の原点から問い直す

2021年度静岡県立大学集中講義「総合的な学習・探求の時間」教育・指導法のために

はじめに

 本サイトは、馬居が非常勤講師として、2021年度の静岡県立大学3学年の学生を対象に行う「総合的な学習の時間の指導法」と「総合学習の指導法」の講義の進行に即して、学習と探求の過程に必要となる情報を、リアルタイムで受講学生に提供することを目的に開設しました。
 しかし、実は
本研究所HOMEの「お知らせ」に記したように、初対面の学生との教育法の集中講義を対面不可のZOOMで実施することが正式に決まったのが講義開始日(9月21日)三週間前の9月初めでした。その結果、年度初めに学生に提示したシラバスの実践化を白紙に戻し、準備してきたリアルな教室でのグループ活動中心の授業構想をあきらめて、未経験のzoomを機能を最大限に活かす方法に切り替える作業が必要になりました。そこで、「一人一台タブレットPC端末」の機能を活かす総合的な学習・探求の教育・指導法の課題に対峙する記録の集積簿となることを願って、講義開始の3日前の9月18日に開設しました。
 しかし残念ながら、開設した時点で記載できていたのは、「1.講義の概要」と「2.テキストとサブテキスト」の一部分のみ
でした。そのため、講義前半(9月21日~22日)開始時から同時進行で「サブテキスト」を加筆しました。また、講義と同時並行でグループ単位での課題研究を開始するために、「3.
課題研究の方法とモデル」を新設し、「1)課題研究の方法」「2)課題研究のモデルとして」、「3)課題研究の表現 (内容の整理、PPTでの表現、発表様式)の手がかりに」との3種の節を設けて、グループ単位の調査活動のための手引きとなる情報を提供しました。加えて、講義前半終了後に、前半の問題点を問い直し、後半(9月28日、29日)までの一週間の時間を、グループ単位に調査研究を進めるためのサブテキスト(情報提供)になることを願って、サイト全体の再構成・加筆修正を試みるとともに、「3.課題研究の方法とモデル」に4)本研究所のサイトからも情報収集を」を加筆しました。
 さらに講義最終日の課題研究のグループ別発表を終えた時点で、2週
日間にわたる講義の最後の総括をする場で、8種のグループによる調査研究の成果に可能な範囲で加筆修正を行い、本サイトに記録することを提案し、許可を得ました。そこで、そのためのスペースとして、「4.2021年度の集中講義受講者の作品より」を新たに設けました
 8グループそれぞれを構成する一人ひとりが、集中講義終了後に時間を見出して懸命に行った作業の結果として、8種のテーマに基づく力作がストックされています。
 
一読ください。 
 その作品に込められた受講生ひとり一人の思いに応えるために、本講義を省みて、総合的な学びと探求の課題について、講義担当者としての自省を込めて、私見を記載するために「5.本講義で露呈した総合的な学習と探求の時間の課題に挑む」を設置します。参照いただけることを願っています。

1.講義の概要

 1)日程  前半 2021年9月21日(火)、22日(水)
                         後半    2021年9月28日(火)、29日(水)
 2)時間 午前 10:40~12:10
      午後 13:00~14:30、14:40~16:10、
         16:20~17:50(29日のみ午後から)
 3)受講者 3学年生 食品栄養科学部13名 国際関係学部8名
            経営情報学部5名
       大学院生 薬食生命総合学府1名 国際関係学研究科1名
 4)guest teacher
  ★濱田純先生(秋田大学客員教授、元秋田県教育次長) 
  ★西本裕輝先生(琉球大学教授) 
  ★米津英郎先生(富士宮市立東小学校) 
  ★佐藤 風(さやか)先生(福山市立動物園飼育員)
  ★李在原(Jaewon Lee)先生(東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 M1) 

2.テキストとサブテキストについて

 1)テキスト(学習の手引き)
  ◆『人口減少時代の家族・学校・地域・社会
   ~生涯にわたる学びと教えの新たな可能性を求めて~』
   馬居・角替共編著 NSK出版 A5版394頁 定価3000円+税
       表紙  ●中表紙、はじめに、目次  別寄稿
    ●おわりに 謝辞 執筆者一覧、編著者紹介、奥書
    
  ★小中高学習指導要領「総合的な学習(小中)・探求(高)の時間」解説
    総合的な学習(探究)の時間:文部科学省 (mext.go.jp)
 
 2)サブテキスト(補助教材)

     (1)原点への問い
  1-1原点から問い直す生活科の未来ー誕生期の活動で学んだこと
  1-2新しい子どものとらえ方・生かし方(社会学の立場から
  1-3新学力観で学校が変わる
  1-4「楽しい学校」-21世紀の学校像を求めて-

 (2)今を知るために
  2-1今、人気を誇る「ONE PIECE」の魅力
  2-2テレビドラマが描く教師像の変遷にみる学校教育の虚実
  2-3特撮怪獣ブームがもたらしたものは
  2-4他国との関係から考える「近現代史と政治」授業化のポイント 

 (3)未来のリアルへの対峙を
  3-1子どもの現実― 超少子社会を生きる
           男女の自立への道を拓き開くために―
  3-2教科からみる高校教育改革の課題

  3-3人口減少による地域と社会の変化と学校教育の課題と可能性 
  3-2新学習指導要領が描く授業者の情景 
  3-3「子育て事情・子育て支援」の動向について

3.課題研究の方法とモデル

 1)課題研究の方法
 (1)研究テーマを設定する際に考慮してほしいこと
   ➀メンバー個々の課題意識と専門性を喚起・交錯する問題群の列記
   ➁現代的課題重視:超少子高齢・人口減少、SDGs、Zerocarbon、
   DX digital-transformation  Diversity&Inclusion など・・・
   ③学習対象者の
学校種(小・中・高)配慮事項
   (
外国にルーツ、特別支援、地域性など)の確認を忘れずに    
 (2)研究を進める際に手掛かりにしてほしいこと
  ➀専門領域を超える構想(希望・夢)の豊かさを楽しむ
  ➁複眼的思考で収集した情報から独自の物語(story)を紡ぐ
  ③現代的課題の解決(探求的⇒探求)の方向を予見する
  ④テーマ設定から探求方向(goal)までの紆余曲折、
喜怒哀楽、
   試行錯誤の過程の記録を整理(story)⇒PPTシートに描く
            (注記:PPT=パワーポイントの略称)
(3)授業実践の可能性を求める素案を新たな物語の予告編に
     ➀グループメンバーの卒業校を舞台に
  ➁あるべき授業の場面を描く予告として⇒
PPTシート数枚に
  ★PPTシートの特性を活かす文字、図表、イラストでの遊びを

2)課題研究のモデルとして
  ◆静岡大学在職時の社会科教育法Ⅳにおける作品から
(1)馬居研究室の学生の作品から(2012年度)
 1-1卒論を視野に:近隣諸国条項と教科書問題 社会科教育法Ⅳ 
 1-2現代的課題を視野に:
  教材研究:新たな農業教育の提案 社会科教育法Ⅳ 2012.10
  小学校第5学年社会科学習指導案:農業ってこんなにすばらしい!  
(2)時代と社会をみる(見、観、診、看)ために
 
2-1◆戦後システム改編図
 2-2子どもの現実
   2-3
女性の就労と日本社会の課題:日本教育社会学会発表から
  ➀西本裕輝:母親の働き方が子どもの進路意識に与える影響と
          コロナ禍におけるその変化

  ②馬居政幸:職から離れた親が支える学力の陥穽
 2-4 防災教育の視座
   教材研究:3.11と社会科
    学習指導案:東日本大震災の-減災・復興と防災の視点から-
    教材研究補充:地理・経済ゼミ教材研究
   2-5 特別支援教育の視座
  ◆通級指導教室の役割と通常学級における発達障害を抱えた
   児童生徒への対応について

3)課題研究の表現 (内容の整理、PPTでの表現、発表様式)
  手がかりに

(1)研究学会での発表
 1-1 日本子ども社会学会第26回大会発表PP
  なぜ静岡は小学校が低く、中学校が高いか
学力調査の及ぼした
         影響に関する研究(3)~沖縄・静岡の状況から~

 1-2 日本生活科総合的学習教育研究学会福岡大会発表PP
   少子高齢・人口減少社会を支える子を育む
         生活科・総合的な学習の時間の課題(2)
(2)研究報告・雑誌への寄稿・・・
 2-1 社会科の初志をつらぬく会『考える子ども』2021年7月№407
  子どもの現実― 超少子社会を生きる
        男女の自立への道を拓き開くために―
 2-2中央教育研究所研究報告『人口減少問題と教育実践』(報告書全文)
  (馬居執筆章「人口減少による地域と社会の変化と学校教育の課題と可能性」) 
 2-3日本子ども社会学会紀要『子ども社会研究』第23号2017年
  馬居政幸子育て事情・子育て支援」の動向について
 2-4 明治図書『社会科教育』連載  2016 年 4 月号~2017 年 3 月 
  馬居政幸「現代社会の課題と社会科授業デザイン」1~12 
 2-5 静岡出版文化会『教師の広場』第176号2014年6月
  馬居政幸「命の大切さ」を育む教育のための三つのステップ
 2-6尾崎行雄記念財団『世界と議会』第479号2004年4月
  馬居政幸「不安の現在を希望の未来に―少子高齢社会を拓く鍵」

4)本研究所のサイトからも情報収集を
(1)
「新型コロナ危機が顕在化させた人口減少下の公立学校の脆弱性
      ―教育事象における格差概念の再定位を視野に―」
           の理解と活用を願って

 2020年度日本教育社会学会第72回大会で行った共同発表とその準備の過程で蓄積した調査研究 の記録と分析結果が示唆する新たな課題について、より多くの方の理解を得て、より広い分野で活用いただけることを願って設置したサイトです。

 表題をクリックすると下記の5種の節で構成された本文が開きます。読み進めるとファイルA~Dの4種のテーマでストックされた拙稿が並んでいます。
  1.共同研究開始の経緯から
  2.2020教社大会で発表、本サイトの開設へ
   ファイルA 馬居発表時PP改訂版と加筆修正のための追加考察等
   ファイルB 西本発表時のPPTと大会事務局による公開文書 
  3.“調査と分析の記録”に遡及、新たな研究課題の視座提起を
   ファイルC “調査と分析の記録”に遡り次の研究課題の視座を提起
  4.私自身(の作品)への問い
   ファイルD 分析方法と考察道具(概念)を求めて踏査した拙稿から
  5.本サイト設置に込めた問い
          【予告情報:UER-Laboにおける新たなサイトの開設のために】
 この中で、特にファイルAとファイルCにストックした次の拙稿の表題をクリックしてURLを開いてみてください。 
 ファイルA 馬居発表時のPPT改訂版と加筆修正のための追加考察等
  A-1馬居発表PPT改訂版 
  A-2 追加考察1 共同研究における馬居の視座と研究発表の目的は
  A-3 追加考察2格差の概念の再検討、再定位のために
  A-4武内先生の質問への回答として

 ファイルC  “調査と分析の記録”に遡り、次の研究課題への視座を提起
  C-1全国一斉休校で見えてきた人口減少時代の公立学校の脆弱性  
   付論1休校長期による9月入学論、
        4月入学にリンクする義務教育の役割への無知の露呈
   付論2新型コロナウイルスが強制(視覚化)する
        人口減少社会日本の現実への対峙
   

  C-2新型コロナ危機が顕在化させた人口減少下の公立学校の脆弱性
  C-3 日本の公立小中学校の学級づくりを基盤にした
     リアル授業との対比によるオンライン学習の課題と可能性
  C-4 授業分析図、評価クロス表
 A-1は本サイト開設のスタートになった昨年9月の教育社会学会での発表に用いたPPの加筆版です。
 C-1~4は、その発表の前提になるコロナ禍の休校時の聞き取り調査とオンラインでの授業再現は不可能と判断した調査研究の過程の記録です。
 受講者の皆さんであれば、本集中講義の課題研究を超えて、ご自身の調査研究とのかかわりで興味がわくのでは、との期待とともに案内します。

(2)  学校教育デジタル化のリアルのために(その1)
  
学校教育デジタル化のリアルのために(その2)
 現在進行形のUER-Laboに開設した二つのサイトです。

 全ての小学生と中学生を対象に「一人一台」PC・タブレットPC端末が、
本年4月に配布されましたが、その現状と課題を記録したサイトです。
 (その1)が配布される前の準備段階、(その2)が4月以降の混乱段階です。学校現場の先生方からのメール、写真、新聞報道などの記録ですので、読み易いと思います。
 いずれも夏休み前に開設しました。夏休み後の変化として(その3)を準備中です。

4.2021年度の集中講義受講者の作品より

1)課題研究の位置づけ
 本講義では「総合的な学習・探求の時間」の実践化(構想⇒構成活動⇒再構成)のモデルとするた めに、グループ(以下Gと略す)単位に課題を設定し、次の4段階での調査研究の作業を行いました。
★第1段階: 総合的な学習・探求活動を構想する際の基礎力となる
      教材研究(単元構想)のための調査活動
      ⇒G員個々の作業の観点の多様多元性、考察の深さと可変性 
★第2段階:構想実践化のための活動構成(複数の時間を結ぶ活動モデル)
      案作成を志向する共同研究⇒G
員個々の成果の競いと
      相互活用によって
生まれる新たな知・情・意の創造
第3段階:個別調査と共同研究の成果(内容contents)を
     PP(PowerPoint)に表現(express)

第4段階:PPを用いて模擬授業に模してしての発表(presentation)

2)各Gの構成と調査研究の進め方
   (1)1グループ3~4人、3学部学生の混合を原則に構成しました。
  その結果、3人が4種、4人が4種、計8種のGが形成されました。
  (2) 調査研究は講義時に加えて講義外にZOOM活用可能な時間帯を準備。
  G単位に、希望に応じて、次の原則で進めました。

  ➀緊急事態宣言下のオンラインという条件を積極的に活かすために、
  ➁講義中にZOOMのブレイクアウトルームを活用することにより、
  ③共同研究(論議、考察、集約、表現)の場と機会を設置しました。
  (3)コロナ禍の集中講義という制約(教育現場での調査困難)にも、
  ZOOM機能を活かし、馬居の調査研究ネットワークを活用しました。
  ➀秋田、東京、静岡、広島、沖縄、カナダで活躍する友人に依頼して、
  ➁guest teacherとしての講義の時間を規定講義時間内に組み込み、
  ③異文化理解の視座を重ねて、家族、学校、地域、社会における
           教育事象の現状と課題の調査研究の機会として設定しました。  

3)各Gの調査研究のテーマと調査研究の成果として、
  PowerPointのPDF版を紹介します。
◆講義最終日の3コマを活用して行った発表(presentation)での
 相互評価を踏まえて、次の手順によって加筆修正をお願いしました。
 ①口頭発表のためのPowerPoint(視覚重視)を、ネット上に
  ストックして誰もが読める論考に改編する作業に挑むこと。
 ②発表時に引用した資料、写真、イラスト、名称等の掲載可否を
  
確認し、不可の場合は差し替えること。
 ③PPに記された執筆者(グループ員)の名称の扱いを検討すること。
 ④後期授業開始後の作業のため、
電話での情報交換をリーダーに依頼。

◆以上の作業を進めた結果、講義終了後3週間を経て8種の作品が
 提出されました。そのPDF版を下記にストックします。
 
(1G)「日本の貧困」についての論の論  
(2G)コロナ禍における地域産業の活性化 
(3G)食からみるSDGs 
(4G)SDGsと私たちの関わり 

(5G)『防災教育』
(6G)女性の就労に関する変化について
(7G)静岡県の農業と地域性 
(8G)ジェンダーと「女らしさ・男らしさ」の偏見を
                乗り越えるためには

4)講義をサポートしてくれた大学院生と 
        課題研究のリーダー代表の感想文 
◆8種の作品の創作とそこに結ぶ講義と調査・発表・加筆修正の過程をサポートしてくれた、大学院生二人と学部3年生二人に、講義全体を思い返しての感想文を寄せてもらいました。

★zoomに不慣れな私に代わって、講義進行に必要な機器操作を全面的に引き受けていただいた上に、ラインを駆使して、日々変化する私と受講生との情報交換を可能にしてくれました。 
 ◆薬食生命科学総合学府食品栄養科学専攻の大学院生Aさん
 総合的な学習の時間 サポーターとしての活動と感想

★引用文献、資料、図版、データなどの使用許可の取り方を代表に、発表PPを共同研究による論考としてサイトに公開するための加筆修正において、必要となる複雑な作業を非常に細やかにリードしてくれました。
 ◆国際関係学研究科比較文化専攻の大学院生Oさん 
 報告資料作成上の留意点と作成過程から得た学び

★栄養教諭を志望する学生として、積極的な発言と調査研究への意欲的な取り組みに
より、受講者の専門性とは異なる教職専門科目としての講義の進行と発表の準備をリードしてくれました。
 食品栄養科学部栄養生命科学科3年のKさん、
 ◇「総合的な学習の時間」感想


★現代的課題への鋭い感性と才知、精緻かつ新鮮な言語操作により、総合的な学習から探求へと深化する思考のあり方と文字、イラスト、写真、色調など、表現の多彩性と多元性をリードしてくれました。
 国際関係学部国際言語文化学科 3年のDさん
 ◇総合学習の意


5.本講義で露呈した総合的な学習と探求の時間の課題に挑む

1)Guest Teacherからの便り
 本講義では「1.講義の概要」に示しましたように、下記5名の先生方にGuest Teacherをお願いしました。講義の時間と場所はzoomの機能を活用し、先生方のご都合に合わせて設定しました。改めて先生方にお願いした講義の日時と時間構成を記録しておきます。
 21日
 14:00~14:40 濱田純先生講義(1)(秋田大学客員教授、元秋田県教育次長)
  ⅰ Lecture
 40分 ⅱ G別活動 10分(ブレイクアウトルームで質問考案)
  ⅲ G別質問への応答を活用した双方向的lecture 30分
 22日
 10:40~12:10 西本裕輝 先生(琉球大学教授) 
  時間構成は濱田先生と同じ
 13:30~14:30 李 在原 先生(東京大学大学院 情報学環・学際情報学府M1) 
  ⅰ Lecture 30分 ⅱ G別活動 10分(ブレイクアウトルームで質問考案) 
  ⅲ G別問と応答による双方向的lecture 20分

 14:40~15:40 佐藤  風 (さやか)先生(福山市立動物園飼育員)
  時間構成は李 在原(Jaewon Lee)
先生と同じ
 28日  
 13;30~14:30 米津英郎 先生(富士宮市立東小学校校長)
  時間構成は佐藤先生と同じ
 
 
14:40~16:10 濱田 先生 講義(2)
  時間構成は講義
(1)と同じ
 
 先生方には、「総合的な学習・探求の時間」の 特性をふまえて、一方的な知識教授ではなく、受講学生との双方向的な情報(知・情・意)交換(問いに応じた臨機応変の語り)を組み込むレクチャーをお願いしました。さらにより積極的に、小中学校の「総合的な学習」、高等学校の「総合的な探求」の「時間(授業・活動)」のモデルとなる方法と構成に挑んでほしいとの希望も伝えました。
 5人の先生方は、それぞれご自身の”活動の現場”から、学生(子ども)たちの心を開き、言葉を引き出す話題、語り、映像、表現によって、多種・多元・可変に彩られた答えと応えを双方的情報交換によって提供してくれました。その内容は、本講義全体を省みて課題を考察する次節にて述べます。

 その作業の準備として、素晴らしい講義をしていただいたお礼の意味を込めて、受講学生による8種の課題研究発表用のPPTを大幅に加筆修正したレポート(PDF版)をお送りし、読んでいただきました。その結果、先生方から、日をおかずして、便り(評価の文書)が届きました。受講生が講義を受ける準備(予習)として学んだ先生方の論考(テキストに編集される)とともに紹介します。

◆濱田先生の事前学習として提供したエッセイ(テキストcolumn5-3)
   秋田の未来へのメッセージ -始まりは全国最下位―

 ★濱田先生に課題研究を読んでいただ後に届いた便り
  皆さんの今後が楽しみになりました  

◆西本先生の事前学習として提供したエッセイ(テキストcolumn5-1)
  テキストColumn5-1沖縄の学力問題の現在

 ★西本先生に課題研究を読んでいただ後に届いた便り(評価の文書)
  講義を振り返って

◆米津英郎先生の事前学習として提供した実践報告
  テキスト9章3米津:少子高齢・人口減少社会を生きる
 ★米津先生に課題研究を読んでいただ後に届いた便り(評価の文書)
  静岡県立大学集中講義に参加して

◆李在原先生の事前学習として提供した李明煕先生の韓国教育論
 (李明煕先生は李在原先生のお父様で、馬居の韓国研究のパートナー)

  人口減少社会における韓国公教育の再構築構想
 ★李在原先生に課題研究を読んでいただ後に届いた便り(評価の文書)
  「問題定義から解決まで」の困難を共に乗り越える皆さんへ

佐藤風(さやか)先生の事前学習として提供した実践報告
  テキスト10章3子どもも大人も同じ高さの目線でともに楽しみ学べる場所へ
           ―福山市立動物園の取り組み―
 ★佐藤風先生に課題研究を読んでいただ後に届いた便り(評価の文書)
  集中講義に参加して

)武内清先生から届いた敬愛大学の学生さんたちの感想
 大学院時代からご教示いただいてきた上智大学名誉教授の武内清先生から、客員教授をされている敬愛大学の学生の皆さん53名のレポートが送られてきました。武内先生が敬愛大学で担当されているオンラインでの教育課程論の一コマにおいて、下記のテーマでの講義のレポートの課題として、本サイトで紹介した8種の課題研究への感想を求めていただいた結果でした。
 「総合的な学習の時間」「総合的な探求の時間」の教育内容について考える
 感想文を一読して驚きました。長短の差はありますが、いずれも丁寧かつ質の高い内容と正確な文体で綴られていたからです。そのため、お送っていただいたことへのお礼とともに、本サイトに紹介させていただくことをお願いしました。さらに、素晴らしい感想文が生まれた武内先生の講義の紹介の許可もお願いしました。
 その結果、武内先生から許可の返信とともに、上記テーマでの講義概要と教育課程論のシラバスをおくっていただきました。この2点とともに、53名の皆さんのレポートを紹介させていただきます。
 なお、私の講義の受講生による研究課題の作品を本サイトに掲載するに述べましたように、作者をする名称等を公開しないことを前提に紹介することをご了承ください。

武内先生 教育課程論 第13回 
「総合的な学習の時間」「総合的な探求の時間」の教育内容について考える。
武内先生 シラバス 2021年度後期 教育課程論(中高)
 
◎武内先生の教育課程論を受講された敬愛大学の学生の皆さんの感想
★馬居の静岡県立大学集中講義での学生の作品への敬愛大生の感想1~10
★馬居の静岡県立大学集中講義での学生の作品への敬愛大生の感想11~20
★馬居の静岡県立大学集中講義での学生の作品への敬愛大生の感想21~30
★馬居の静岡県立大学集中講義での学生の作品への敬愛大生の感想41~50
★馬居の静岡県立大学集中講義での学生の作品への敬愛大生の感想51~57、番外

3)講義全体を省みての課題の提示 
◆準備したシラバスの前提とは全く異なる条件とは。
  
★2021年度静岡県立大学でのシラバス(2021年2月28日作成)
  
ⅰ)Zoomによる疑似体面状況での講義
  ⅱ)3学部が混在する初対面の学生を対象
  ⅲ)総合的な学習・探求の時間の教育法の特性
   ★テキストの学び(座学)ではなく、
    リアルな問題の解決過程(活動)の重視
◆準備段階から本サイト作成と同時進行で試みた学生の皆さんとの講義づくりから見てきた課題とは
 ①実施直前にオンラインになったことに対応するための準備
  集中講義をZOOMのみで行うことが決定されたのちの9月初旬に
  講義形式の変更と講義の進め方につて受講生に案内するために作成したメモ
   ➊受講者の皆さんへ(1)
   ➋受講者の皆さんへ(2)
   ➌総合的な学習の時間グループ活動にあたり事前にしてほしいこと

 ②授業開始後、ゲストへの対応も含めたzoomを介する疑似対面上の講義で生じる問題の処理
  ★事前準備の➋➌による受講者とサポーターのコミュニケーションの日常化  
  ★「
2.テキストとサブテキストについて」の設置
 ③グループ単位の課題研究に対して、臨機応変の個別対面指導の困難さを克服する試行錯誤
  ★「 3.課題研究の方法とモデル」の設置
  ★guest teacherのサポート(詳細な準備)
  ★サポーターとリーダーとのラインを活用したコミュニケーション  
  ★グルー単位に課題研究の調査研究の応じての指導、助言
     問題解決の方向と方法についてのリアルな情報提示
 ④講義の過程と学生の作品をサイトで公開するための課題の把握と解決方法の模索
  ★「 4.2021年度の集中講義受講者の作品より」の設置
  ★静岡県立大学教職担当の角替弘規教授と非常勤業務担当職員との連携
  ★公益財団法人中央教育研究所との連携
 ⑤上記4種の対応における「総合的学習・探求の活動・学習・教育法」の特異性への配慮
  ★新学習指導要領における
   小中学校の総合的学習の時間から
   高等学校の総合的探求の時間への改定の趣旨をおさえる
  ★学習指導要領の視野とは異なる視座からの課題の定位と探求の方法の考案
  ★学生個々の問題意識の可能な範囲での内在的理解
  ★学生個々の専門領域への敬意を前提とした講義者の前に研究者としての判断との対峙



                              未完

2021年12月18日

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